プロフィール

とめきち

Author:とめきち
2013年夏カカイルにはまった新米カカイラーです。
煩悩のまま駄文を書き散らしております。

ギャグとシリアスが混沌としております。
闇鍋みたいなサイトです。

本人は読むのは雑食です。
書くのはカカイルメインでちょっこっと捧げ物でライアオ書いてます。
こちらはカカイルサイトなのでそちらはUPしてません。

溺愛するポケモンはラプラスと使いやすさでコバルオン。
お稲荷さんと聞くと変態仮面が真っ先に思い浮かびます。
意外と手先が器用です。

基本的にギャグのカカシ先生はイルカ先生の話をキチンと聞いてませんし変態です。
イルカ先生は基本ツッコミです。

現パロのリゾートシリーズは基本カカイルですが色々なキャラが出てます。
っていうか最近そっちがメインな気もします・・・。

高校生シリーズは一旦完結しましたがたまに番外編で出てきてます。

リンクフリーです。
報告とかしてもらっちゃったら即効お邪魔します。
相互とかさせていただいちゃったりしたら喜んで話の一本でも書かせていただいて手土産にお邪魔いたします(笑)

ではへっぽこで珍妙で拙い文ではありますが宜しければお楽しみいただければ幸いです。

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キリ番はしばらくお休み中です

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卒業 Side I

現代パラレル高校生カカシと教師イルカのシリーズになります。
ついに卒業式です。
今回は卒業式前から当日のイルカ先生視点、次回はカカシ君視点の卒業式の話です。

良ければ追記よりお読みください・・・。



会議が終わり準備室に戻る。
棚の整理をしながらふと外を眺めると綺麗な夕焼けが広がっていた。
この調子ならきっと明日は晴れるだろう・・・。
新しい門出は、何かに一つの区切りをつけるときはどうせなら綺麗な青空が広がっているほうが良い。
彼の前に限りなく広がっている可能性のように空一杯に広がっている青空の方が・・・。
そう思いながら彼との想い出は青空では無くて目の前に広がっている夕焼けの方が多いことにふと気付く。
カタンと後ろで音が鳴り思わず振り返る。
明日卒業式で慌しいであろう彼が来る訳無いのに・・・。
一瞬、扉の所に何時ものように猫背気味の長身が立っているかもと思ってしまった自分に苦笑しつつ又棚の中の私物の整理を続ける。
棚に二つそっと並んでいる彼の愛用していた方のカップを取り出し『これはどうしようか?』とふと考えるがとりあえず取り出すとそっと脇の机の上に置いておく。
茜色に染まった準備室の中は俺一人の、一人だけの影がただただ長く伸びていた。

卒業 Side I

「海野先生、準備は進んでいますか?」
朝の会議を終え職員室を出ようとすると後ろから声をかけられる。
「ええ、まあ何とか・・・。」
「色々大変だと思いますが・・・。あ、お昼から会議が続きますから忘れないようにお願いしますね?」
「大丈夫です、では後で講堂で・・・。」
そう言ってあいまいに微笑むと荷物を持ったまま準備室へと向かう。
校内のあちこちから生徒達の声がさざ波のように近づいては遠ざかっていく。

準備室に着いて荷物を下ろし軽く肩を回す。
自分が担任を持っている訳じゃないのになんだか朝から緊張しているのがわかる。
一服しようとポットに水を入れて沸かしながらコーヒーの用意をする。
卒業式だからと何時もよりきっちり締めているネクタイの間に指を入れて軽く緩めると残り少なくなってきたインスタントコーヒーを取り出しカップに入れようと手を伸ばす。
一つだけになった隣が寂しそうなカップを見て一瞬手が止まるが見ないようにして取り出すとコーヒーを乱暴に入れる。
カチンと軽い音を立ててお湯が出来た事を知らせたポットを手に取ると勢いよくお湯を注ぎ乱暴にかき混ぜる。
カップを手にとって窓の外のグラウンドを眺め、運動部らしい生徒が後輩達とお別れにかグラウンドでサッカーしているのを見つけ声を掛ける。

「お前達、そろそろ教室に戻れよ?折角の門出なんだから埃で汚さないできちんとした格好で出ろよな?」
「わかりましたー。イルカ先生今までお世話になりました!!」
体育系らしく背筋を正すとピシッと綺麗に一礼して見せる。
「じゃあ先生卒業式でまた。」
そう言いながら彼らは小突きあったりじゃれあいながら教室へと戻っていく。
ふと見ると彼らが使っていたのかサッカーボールが一つポツンとグラウンドに取り残されている・・・。
何となく彼らに置いて行かれた寂しそうなボールを見たくなくて手に持っていた少し冷めかけたコーヒーを一気に飲む。

「苦っ・・・。」
乱暴に作ったコーヒーは妙に苦くて・・・。
苦すぎて・・・だから目の前がじんわりとにじんできたのはコーヒーの所為だ。
そう思いながら一つ大きなため息を吐きながら目を閉じるとじんわりとまぶたの裏に何だか暖かいものが広がっていった。

まあまあ面白いほうだと思う校長の話とつまらなくて長い来賓の話、代表生徒による卒業証書授与や送辞に答辞も終わりあっけないくらい簡単に卒業式は終わってしまった。
すでに泣き出してしまっている女子生徒も多数いて講堂全体にしんみりとした空気が広がっている。
人数が多いが長身で目立つ髪色の彼の頭が俺の位置からも時折見えた・・・。
3年に在校生が退場してしまうと担任を持っていない俺のような先生達で一斉に片づけを始める。
緞帳が下ろされ椅子や机が次々と片付けられていく。
何時もと同じ作業のはずなのにこれが終わってしまうと本当にこの学校から彼が居なくなってしまうんだなと思うからか何となくノロノロと片付けてしまう。
俺がノロノロしたって周りには他の人たちがいる訳で、割りとあっけなく片づけが終わってしまうと昼の会議についての注意点だけを簡潔に伝えられ解散となった。

準備室に戻り机の中の整理を始めるが集中出来ずなかなか進まない。
ふと自分の両手を見つめる。
決めたはずなのに、散々悩んで考えて決めた筈なのに・・・。
俺は自分が決めた事が、これから彼に告げようとしている事が正しいのかどうか、いまだに悩んでいる。

その時準備室の扉が軽くノックされた。
心臓がドクンと跳ね上がったような気がした。
「どうぞ?」
そう言って声を掛けるが返事は無く不思議に思って扉を開ける。

「イルカ先生、お忙しいですか?最後に挨拶をと思いまして来ちゃいました。」
笑いながらそう言って扉の前に居たのはいつもの彼女だった。
俺はホッとしたような残念なような気持ちで彼女に話しかける。

「ああ、大丈夫だよ。あ、卒業おめでとう。」
「ありがとうございます。」
ふふっと笑いながら綺麗に一礼してみせる。
「君には色々と世話になったよ。変な言い方かもしれないけど・・・。本当にありがとう。」
「私は何もしていないですよ?私こそ先生の授業楽しかったです。今までありがとうございました。それで今日から生徒じゃなくなりますよ?」
「そうだな・・・。じゃあ生徒じゃないなら。君になら・・・この前みたく偶然会ったらお茶位ならご馳走しても良いかもな・・・。」

一瞬誰かのふて腐った顔が脳裏に浮かんだが彼女には色々世話になったんだしそれ位良いだろう?

「うーん、残念です。偶然会うのは難しいかもしれないですよ?」
「え、どうしてなんだ?」
「・・・私ずっと昔から教えを請いたいと思う先生がいたんです。その先生は遠方の大学なんですが色々な資料や論文なんかを読んで憧れていて、だから自分なりに頑張って勉強もして。私その先生のいらっしゃる大学に無事受かったんです。だから私4月に入る前には引越しするんです。」
「そうなんだ、おめでとう。君ならきっと何処でもうまくやっていけるよ。」
「ありがとうございます。だからもしどこかで本当に偶然会ったらお茶とは言わずご飯位ご馳走してくださいね?」
「そうだな・・・。余り高くないので頼むよ?これから大変だと思うけど頑張れよ?自分の望む所に行けるなんて幸せ者だな?」

そう言って笑いかけると彼女はちょっと真面目な顔になって言った。

「イルカ先生にもどうか元気で幸せになってください・・・って言いたいですが。私がそんなこと言わなくても大丈夫ですよね?きっと先生は幸せにして貰えますもの・・・。」
「・・・え、一体何の事?」
「あーあ、私の方がずっとずっとイルカ先生のこと好きだと思ったんですよ?でもそんな事は全く無かったし・・・。私に勝ち目なんか最初から無かったんですね。」
「ねえ?君は一体何の話を・・・。」

彼女は意味ありげにふふっと笑うと俺に向かってスッと右手を差し出してきた。
俺も慌てて右手を出して彼女と握手する。

「イルカ先生、やっぱり偶然会ったら食事じゃなくてお茶をご馳走してくださいね?畑君ってば結構嫉妬深い気がしますもの。」
「え、え、君は一体?」
何を話しているのか良く意味がつかめずちょっと慌てる俺に彼女は握手したままだった右手をグイッと自分の方に引き寄せると少しよろけた俺の耳元でこそっと囁いた。

「御揃いのキーケースはどちらからのプレゼントなんですか?」

一瞬何の事かと考えた後・・・パッと意味がわかる。
かーっと血が上って赤くなったであろう俺の顔を見ながら握手の手を解き、彼女は笑いながら言った。
「イルカ先生。今日はうちのクラスも打ち上げがあるんです。畑君の事最後くらいはお借りしますね?あと畑君ってば朝から告白されまくってましたよ?この後ここに来るの難しいかもしれませんね?」
「あの、その・・・。」
「先生今までありがとうございました。じゃあ又いつかどこかで・・・。」
「あ、君も元気で頑張って・・・。」

最後に又見本のように綺麗に一礼してみせると俺の言葉を最後まで聞かずに彼女は笑って俺にヒラヒラッと手を振り軽やかに走り去ってしまった。

彼女が去るのを見送っていたら後ろから声がかかる。
振り向かなくても誰だかわかるから後ろを見ないで話をする。
「センセ?彼女と話してて随分楽しそうだったけど・・・。顔赤くしたりしてさ、何の話をしてたの?」
「・・・畑、お前随分もてるんだってな?知っていたつもりだけど凄いらしいじゃないか?」
「あー、皆俺の外見が珍しいだけでしょ?登校日とかの度に逃げ回ったりしてたんだけどさ。今日卒業式だからって皆朝からしつこいったら・・・。今だって逃げ回ってやっとここに来たんだよ?」
口を軽く尖らせて拗ねたように言いながら歩いてくると畑は俺の横に立つ。
「何で校内で追いかけっこしなくちゃいけないんだよ。折角の卒業式なのに・・・。」
ぶつぶつ言う畑に話し掛けようとするとした瞬間、廊下に悲鳴にも似た声が響いた。
「あーっ!!畑君こんなところに居た!!」
その声に導かれるように女子生徒特有の少し甲高いような声が、走ってくる足音がどんどんとこちらに近づいてきている。

「チッ!!こんなところにまで?!本当にしつこいんだから!!」
眉根を寄せてそう言うと畑は一瞬俺の手を軽く握った。

「センセ、又後で。センセも確か午後はずっと会議でしょ?落ち着いたら夜にでもメールするから。」
と小さな声で囁くと畑は追いかけてくる女子生徒達から逃れようと身を翻し走って行ってしまった。
「あー畑君!!待ってよ!!」
口々にそんな事を言いながら追いかけていく女子生徒達に無駄だと思いながらも声を掛ける。
「お前達、廊下は走るなよー。」
案の定彼女達は聞く耳を持たずそのまま畑の後を追いかけて走っていった。
知っていたつもりだが畑は本当にもてるんだなぁ・・・。
そう思いながら追いかけっこをしている彼らを見送る。

「『また後で』・・・か。」
軽く握られた手を見つめながら小さく呟くと準備室に戻る。
今の調子じゃ畑は俺がいる間にここに来るのは難しいだろう、と思いながら会議の用意をしておく。
まあ、こうなったのは予定外だが畑からメールをくれるって言っているからそれを待つとするか・・・。
そう思っていたのに・・・。

畑から連絡をくれると言ったその日の夜も・・・次の日の朝も・・・。

彼からは何の連絡も無かった・・・。

卒業 Side k へ続く




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