プロフィール

とめきち

Author:とめきち
2013年夏カカイルにはまった新米カカイラーです。
煩悩のまま駄文を書き散らしております。

ギャグとシリアスが混沌としております。
闇鍋みたいなサイトです。

本人は読むのは雑食です。
書くのはカカイルメインでちょっこっと捧げ物でライアオ書いてます。
こちらはカカイルサイトなのでそちらはUPしてません。

溺愛するポケモンはラプラスと使いやすさでコバルオン。
お稲荷さんと聞くと変態仮面が真っ先に思い浮かびます。
意外と手先が器用です。

基本的にギャグのカカシ先生はイルカ先生の話をキチンと聞いてませんし変態です。
イルカ先生は基本ツッコミです。

現パロのリゾートシリーズは基本カカイルですが色々なキャラが出てます。
っていうか最近そっちがメインな気もします・・・。

高校生シリーズは一旦完結しましたがたまに番外編で出てきてます。

リンクフリーです。
報告とかしてもらっちゃったら即効お邪魔します。
相互とかさせていただいちゃったりしたら喜んで話の一本でも書かせていただいて手土産にお邪魔いたします(笑)

ではへっぽこで珍妙で拙い文ではありますが宜しければお楽しみいただければ幸いです。

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キリ番はしばらくお休み中です

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降り月

少し遅れましたがカカシ先生、お誕生日おめでとうございます。

カカシ先生のお誕生日ネタで、ありふれた話かと思います。
よけば追記よりお読みください・・・。



降り月

夜遅く歩く道に、人影はほとんどない。
十五夜を過ぎ、月の出も遅くなって空には星が瞬いている。
時折、どこかの家から夕餉の名残の匂いのしっぽの様なモノが漂っていて、今日も里が平和な事を実感し思わず頬が緩む
少し重いビニール袋を反対の手に持ち替えた所で、後ろから声がかかった。

「こんばんは」

くるりとうしろを振り向くと、街灯に照らされキラキラと光っている髪が見えた。
思わず胸が跳ね上がるような衝動に包まれるが、何食わぬ顔で話しかける。

「あれ、カカシさん。今お戻りですか?ご無事で何よりです」
「あ、ありがとうございます。イルカ先生はこんな時間に何をなさっているんですか?」
「俺ですか?」

頭を掻きながらお辞儀をして見せる人に、持ち替えた袋を顔の位置まで持ち上げてみせる。

「ちょっと珍しい酒が手に入ったんです。それで月が綺麗に見える場所で一人で酒盛りでもしようと思って、向かっていたんですよ」
「へえ、月見酒ですか?風流ですね」
「少ないですけど、カカシさんも、この後予定が無かったらどうですか?」
「え、良いんですか?」

カカシさんは驚いたように言った後、ふにゃりと顔を緩ませる。
俺も思わぬ僥倖に浮かれ、彼に向かって笑いながら答える。

「勿論ですよ、でも少ないですよ?」
「構いませんよ!!何なら買い足しますか?」」
「今日はこの酒だけでいいです。カカシさんは、もう受付には行かれたんですか?」
「さっき済ませて、今帰る所です」
「じゃあ行きましょうか?スイマセンが、カカシさんは何処か月が綺麗に見える場所をご存じないですか?」
「月が綺麗な場所…そうですね…」

そう呟き、考え込んで険しい顔をする彼の事を、微笑ましく思いながら横に並んで一緒に歩いて行く。

「イルカ先生、こっちです」
「ずいぶんと辺鄙なところまで来ましたね…」
「だからこそ穴場なんですよ」
「カカシさんは面白い場所を知ってますねえ?」
「そうですね。辺鄙な場所ですし、誰かとくるのは初めてですね」

カカシさんが何気なく言った言葉に、思わず踊りだしそうになるくらい浮かれている自分がいる。
そんな事を言われると、俺が彼にとってどこか特別なんじゃないかと、勘違いしてしまいそうになり、必死に自分に『そんな事はない!!』と心の中で戒める。

背の高い草を両手でかき分けて、カカシさんのお勧めの場所へと何とか辿りついた。
東の空に、空の端に引っかかっているような、登り始めた月が見える。
二人で少し拓けた場所に座り込むと、俺は袋の中から缶を取り出し、カカシさんに手渡す。

「何でこの酒で、月見酒かと言うとですね…。この缶のイラストを、良く見てくださいよ?」

俺の言葉にカカシさんがくるりと缶を回す。
そこには半分よりも少しだけ月齢を足した、金色の月のイラストが描かれている。
不思議そうに俺を見て来るからにっこり笑って空の端を指さす。
そこにあるのはイラストと同じ月齢の月だった。

「あ・・・」
「ね?しかもこの缶をよく見ると『みつけたひとだけ 幸せな夜になる』って書いてあるんですよ?」
「へえ…それって、月の事ですかね?缶の事ですかね?」
「どっちでしょう?でも良い事は信じる方が楽しいですよ。カカシさんにも俺にも、良い事があるといいんですが…」

(俺は偶然会えて今こうしている事で、十分に幸せですけどね)そう思う心はそっと隠し、て笑ってみせる。
カカシさんは少し笑って話し出した。

「俺ね、実は今日が誕生日なんですよ?」
「そうなんですか?おめでとうございます。そんな日に、俺なんかが相手で悪いですね…」
「何言ってるんですか?イルカ先生が祝ってくれてうれしいですよ」

そう言うと、二人で缶のプルタブを開ける。

「えっとじゃあ…カカシ先生お誕生日おめでとうございます」
「ありがとうございます。後じゃあ、月にも乾杯」

そう言って軽く缶を合わせて乾杯した。
普段飲む酒とはどこか違った味を、他愛もない会話をしながら楽しむ。
中身に入った缶より、空いた缶の方が多くなった頃、カカシさんがぼそぼそと話し出した。

「俺ねえ。誕生日とかあまりこだわりないんですが…。やっぱり祝ってもらうと、何となく嬉しいもんですね」
「そうなんですか?カカシさんなら、綺麗どころをはべらかして祝ってそうなイメージがあるんですけど…」
「イルカ先生ってば、又そんな事言って…」

俺の言葉に苦笑いしながら、カカシさんは話を続ける。

「一つ年を取るって大きくなるだけですし。その事で、俺とどんどん年が離れていく行く人達もいれば、俺とどんどん年をとって近づいていく人達もいる…」

そう言うと缶に残っていた分を一気に飲み干す。
手の中の空いた缶をじっと見ているから、その缶を取り上げて新しい缶へと取り換える。
もう一度缶を合わせ軽く乾杯する。

「もちろん…それは一例で。こんな稼業ですし、人と出逢った数だけ別れがある訳で。そんな事言いだしたらきりがないんですよね。大なり小なり良いも悪いも、小さなころからそんな繰り返しだったし、もう慣れている筈なんですが…。時々何て言ったらいいのか分からない気持ちになりますね…」

そう言ってぼんやりと月を見つめている。

カカシさん…それは寂しいって言うんですよ?
どんなに強い大人だって寂しい時は寂しい…。
子供の頃から孤独に慣れてしまっている彼にはそんな事もわからないんだろうか?
そんな彼の事を、俺がどうにかしてあげたいと思うのは、俺の傲慢なんだろうか?

彼の横顔を見つめ、又胸がぐっと締め付けられるような気持になる。
カカシさんの事は、今まで凛々しく格好いい人だと思っていた。
でもこんな儚げ一面もあったんだ…。
カカシさんの事は憧れの延長上の好きだと思っていたけれど、これはどう考えても違う種類の好きだ…。
彼は横に手を伸ばすとススキ一本手に取り、指先で茎をクルクルとまわしながら月を眺めている。

「ねえ、イルカ先生。満月じゃないけど、今日の月もきれいですね?」

カカシさんにそう言われ、ふとこの前アカデミーの資料で見た話を思い出す。

「カカシ先生知ってますか?昔とある国の文豪が『I love you』の事を『月が綺麗ですね』って訳したらしいですよ?」
「へえ、風流ですね。同じ文豪でも、自来也先生ならそうはいかないでしょうね…」
「そうでしょうね…何か…もっとすごい事言われそうですよね?」
「イチャパラに載ってるみたいな、ですか?」

そう言いながら、カカシさんは腰のポーチを叩いてみせた。
その中にある、教育上はあまり宜しくない彼の愛読書の事を思い出して、苦笑してしまう。
そんな俺の横で、カカシさんは月を見上げながら、ぽそりと呟いた。

「イルカ先生なら…」
「はい?」
「先生なら…その言葉を、なんと訳しますか?」
「俺ですか?!そんな事、考えたことも無かったなぁ」

カカシ先生の言葉に『自分ならどうするだろうか?』と考え込みながら、彼と同じようにしばらくぽっかりと浮かんだ月を眺めてみる。
幾ら眺めても月に答えが描いている訳では無いのに、ただじっと見つめてみた。
じっと見つめているとどこか吸い込まれそうな気分になってくらくらしてきた。
気分を変えるために手元のビールを一気に飲み干すと、缶を空き缶用にしている袋に入れる。
もう一つの袋を漁り、袋の中から夜空に浮かぶ月と同じ月齢のイラストが描かれたビールを取り出した。

「あ、もうこれが最後の一缶ですね。じゃあこれはささやかですが、俺からカカシさんの誕生日プレゼント代わりに」

にししと笑って俺に向かって差し出すが、カカシさんは真面目な顔をして両手で飲みかけの缶を持っている。

「…どうしたんですか?」
「ねえ、イルカ先生。さっきも言ったけど、先生だったらどう訳すのかを俺に教えて?それが俺へのプレゼントで良いよ」
「…ねえカカシさん、酔っているでしょう?だから俺は考えた事が無いですってば…」
「じゃあ、今考えて?俺に教えて?」
「そんな事言われても…」

しつこく問いかけてくる彼に上手く答えられなくて、思わず眉根が寄ってしまう。
そんな俺を見て、カカシさんは少し困った顔をしている。
困ってるのはこっちだよ…楽しく飲んでいた筈なのに何でこんな事に…と段々と泣きたくなってきた。

「じゃあカカシさんなら何て言うんですか?」

苦し紛れにそう聞いてしまうが、自分でそう言った後で後悔してしまう。
カカシさんが他の人に囁くだろう愛の言葉を聞いたって、俺の胸の中が苦しくなるだけじゃないか?
そう思ったら手にしたいた缶に思わず力を込めてしまい、缶はべこっと軽く音を立てる。
その音にハッと我に返り、慌てて視線を落とすと缶に書かれた一文が目に入る。

『…幸せな夜になる』…なんて。

最初はカカシさんと過ごせて、カカシさんの誕生日を祝う事が出来て…幸せな夜だと思っていたけど…。
結局は彼の知らない面を見て、自分の中の気持ちを再確認し、余計に恋しくなり胸が苦しくなった。
何か訳が分からない位に…心の中がごちゃごちゃしてしまい、気が緩むと目元が潤んできそうだ。
カカシさんに向かって無理やり笑顔を作って話しかける。

「カカシさんもうビールもないですし、そろそろ帰りましょうか?」
「え?でも俺は、先生の答えを聞いてないよ?」
「そんなの…どうでも良いですよ。ずいぶんと絡んできますが、ひょっとして酔ってますか?」

立ち上がると尻をはたき、付いてもいない土を落とす仕草をする。
鼻の奥がツンとして、何かしていないと泣きそうになってしまう。
屈んで手を伸ばし、空き缶の入ったビニール袋を取ろうとする。
するとカカシさんに突然腕を掴まれ、バランスを崩してよろけてしまい、少し伸ばした彼の膝の上に仰向けに乗りあげてしまった。
見上げた彼の顔は今まで見た事が無い位に真剣だった…。

「ねえ、俺は先生の答えを聞いてないよ?」
「だから…。俺の答えを聞いてどうするんですか?カカシさんが誰かに告白するときにでも、参考になさるんですか?!」

少し震える声で問いかけるとカカシさんは少し顔をゆがめた。

「イルカ先生が、誰かに囁くその言葉が…。どんなものなのか、聞く位なら良いじゃないですか?俺が貴方から言われることは無いんだから。せめて、せめてその言葉を聞く位は良いじゃないですか…」
「…カカシさん?」
「それ位良いじゃないですか?誕生日だから…少しくらいは我儘聞いてくださいよ」

何処か泣き出しそうな顔をして、カカシさんは子供のように俺に強請ってくる。
今の言葉の意味は…俺はひょっとて、自惚れても良いんだろうか?
視線をそらして自分の気のせいかもしれないと落ち着こうと考えていると、ふと頬に温かいものが落ちてきた。
カカシさんの顔に視線を戻して驚いた。
俺を見下ろすカカシさんが潤んだ目を閉じると、又俺の頬に温かいものが降ってくる。

どんどん降ってくる。
俺たち二人を照らしまばゆく降り注いでいる月の光のように。
カカシさんの想いが、溺れそうな位に俺に降ってきて俺を濡らしていく。

そっと手を伸ばし、カカシさんの目元をぬぐうとそのまま頬に手をあてる。
少し身を起こし、顔を近づける。
ゴクリと息を飲みこむと、カカシさんに話かける。

「カカシさん、俺の言葉を…。本当に聞きたいんですか?」
「さっきから言ってるけど、聞くくらいならいいでしょ?プレゼントに下さいよ」

まだ目を潤ませてカカシさんはそう強請ってくる。

「分かりました。じゃあ俺からのプレゼントです。今から言いますけど、聞いてしまったら返品はできませんよ?」
「分かってます。いつでもどうぞ?」

カカシさんは覚悟を決めたかのように、ぎゅっと目を瞑っている。
目の縁に、さっき俺が拭いきれなかった涙の滴がたまり煌いている。
頬に当てた指を伸ばしそれを拭い取る。
俺は自分の勘違いじゃないと良いと思いつつ、言葉を選ぶ。

「カカシさん目を開けて貰えますか?」

眉根を寄せながら目を開けた彼に、俺は話しかける。

「カカシさんお誕生日おめでとうございます。それで…。良いですか、きちんと聞いてくださいね?」
「はい…。どうか言ってください」
「俺は…」
「俺は…なんですか?」

少し視線を上げ、中空近くまで登ってきた月をチラリと見る。
うん、あのお酒を見つけて一緒に飲んだ俺とカカシさんは…。
ひょっとしたら一緒に幸せになれるのかもしれない。
『早く言ってくれと』言いたげな彼の目を見詰めてそっと囁く


          俺は…カカシさんの事が好きですよ



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