プロフィール

とめきち

Author:とめきち
2013年夏カカイルにはまった新米カカイラーです。
煩悩のまま駄文を書き散らしております。

ギャグとシリアスが混沌としております。
闇鍋みたいなサイトです。

本人は読むのは雑食です。
書くのはカカイルメインでちょっこっと捧げ物でライアオ書いてます。
こちらはカカイルサイトなのでそちらはUPしてません。

溺愛するポケモンはラプラスと使いやすさでコバルオン。
お稲荷さんと聞くと変態仮面が真っ先に思い浮かびます。
意外と手先が器用です。

基本的にギャグのカカシ先生はイルカ先生の話をキチンと聞いてませんし変態です。
イルカ先生は基本ツッコミです。

現パロのリゾートシリーズは基本カカイルですが色々なキャラが出てます。
っていうか最近そっちがメインな気もします・・・。

高校生シリーズは一旦完結しましたがたまに番外編で出てきてます。

リンクフリーです。
報告とかしてもらっちゃったら即効お邪魔します。
相互とかさせていただいちゃったりしたら喜んで話の一本でも書かせていただいて手土産にお邪魔いたします(笑)

ではへっぽこで珍妙で拙い文ではありますが宜しければお楽しみいただければ幸いです。

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キリ番はしばらくお休み中です

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10月12日スパークの新刊案内です

10/12 COMIC CITY SPARK9に参加します
スペースNoは東5ホール て12b 本舗日和です
こちらは新刊『花弁恋君』のサンプルです。
サンプルは話がとびとびになりますが1万字程度UPしてます

「花弁恋君」(書下ろし)
A4/80p/800円(約8万7千文字)  R18

忍設定の話で完全書下ろしです。
漫画の中に出てく『花吐き病』という設定をお借りしています。
作中に花ですが嘔吐表現があります。
カカシさんが花街に行ったりしていますがモブ等との直接的な絡みの表現はありません
苦手な方は閲覧ご遠慮ください。

嘔吐表現など好みの別れる話の為、印刷部数は少な目にしています

今回も表紙イラストを芋酒735様に書いていただきました。
芋酒様本当に有難うございます

当日『すあまうどん』のみかん大福さんの本を委託販売します。
変態上忍様をイメージして書いてくださったそうで、とても可愛い漫画です。
A5/16p/100円

サンプル文は良ければ追記よりお読みください・・・。


花弁恋君

目覚ましが鳴り響く中、夏の朝の特有の纏わりつくような暑さを感じながら、イルカはとても爽やかとは言えない気分で目が覚めた。
「あー今日も朝から暑いな…って何だ…この頭痛は…」
 首筋に浮かんだ汗を拭おうと手を持ち上げると二日酔い特有の脈打つような頭の痛みとふらつき、そして胸のムカつきに襲われた。
「なんだこれ…そう言えば昨日珍しく飲みに行ったっけ、しかし何でこんなになるまで飲んだんだ…」
 気持ち悪さに眼を瞑ったままブツブツと呟きながら寝返りを打つと、ふわりと何かの香りが漂ってきて思わず眼を開けた。

「…花?」

浮腫んだ瞼を、何とかこじ開けたイルカの視界に飛び込んできたのは、色鮮やかな一輪の花だった…。
「何で…こんな所に花が?俺が買ってきた?でも何で枕元に一輪だけ…」
そう呟くと、イルカは恐る恐る手を伸ばし、花を指先で軽く突いてみた。幻ではなかったその花は、伸ばした指先にその感触を伝え、しっかりと挟み込む事も出来た。どこか濡れたようにしっとりとした花を、何となく指先で弄ぶように、くるくるとまわしてみる。
自分の指先も染まりそうな色鮮やかなその花を、寝たまま今度は手の平に乗せしばらく眺めてみた
「どう見ても普通の花だ。茎が無いって事は、酔ってどこかでの公園で摘んできたとか?しかしそれより何で仕事がある日の前日に、俺は二日酔いになる位に飲んだんだろう…?」
イルカはそう呟くと、こめかみを押さえる。鈍く痛み考える事を拒否しているような頭をゆっくりと働かせながら、昨日あった出来事を順に思い出していった…。

     *****

アカデミーや受付で働く人物は、その仕事の内容故、常に真面目でいる事を強いられる。その為にどうしても溜まりがちストレスを、どうやら飲んで発散させる事を好む人が多いようだ。
昨日受付では、どうやら理不尽な言いがかりを付けてきた上忍と受付担当の間でひと悶着あったらしい。イルカは現在夏休み中のアカデミーの休日出勤だったが、その帰りにたまたま会った受付連中に強引に誘われ、飲みに連れ出された。
給料日前で懐が苦しい事を理由にして、イルカは何とか逃げようとしたが、愚痴を吐きたくなる気持ちは、分からない訳ではないし、皆で飲むことも嫌いではない。結局は同じように夏休みのアカデミーの休日出勤をして幾人かと、受付にいた幾人で飲むに行くことになった。
明日も仕事だからとイルカは『軽く一杯』だけのつもりだった。
皆で懐が痛まない程度の安居酒屋へと繰り出して、安酒だと文句を言いつつ賑やかに飲む事はそれなりに楽しい。愚痴を聞きつつ愚痴を吐き、酒を飲み過ごさないようにとイルカは気を付けていた筈だった。
 二件目を誘いは断りながら、次の店を探し歩いていた皆と繁華街を抜けて帰宅しようとした時には、二日酔いになるほど酔ってはいなかった。
でもこの二日酔い特有の鈍痛がしているという事は…結局自分はあの後二件目に行ったんだろうか?そう考えながらイルカは枕から何とか頭を持ち上げ溜息を吐いた。
途端に自分の呼気のあまりの酒臭さに自分自身で気持ち悪くなってきてしまい思わず口を押える。
そう言えば胸のムカつきと喉の辺りも変にいがらっぽい。ひょっとしたらどこかで一回吐いたのかもしれない…そう思いながら汗でヌルついている喉を擦り、汗で首に纏わりついていた髪を無理やり剥がしていく。
そのまま辺りを見回すとカバンやベスト、アンダーなどが散らかっており、酔って帰宅した後で脱ぎ捨てた様子が一目瞭然だ。
「何でこんなになるまで飲んだんだっけ…」
ズキズキと激しく脈打つこめかみを更に強く押さえると、イルカは何とか思い出そうと記憶の糸を手繰り寄せた。店を出て、二件目を断りながら歓楽街を皆と歩いていた時に、何かを見た気がする…
その瞬間、脳裏を銀色の影が横切り、イルカは思わず呟いた。

「そうだ、はたけ上忍だ…」
 
それは昨夜、酔った同僚達が執拗に誘ってくる二件目を断りながら歓楽街を抜け帰宅しようとした時の事だった。
眼の端に懐かしい色をとらえ、イルカは思わず振り向いたが、そこに見えた光景に思わず自分の目を疑った。
 そこには特徴的な髪型と髪色の高名な上忍と、その彼に甘えるようにしなだれかかっているくの一の姿があった。
その二人が向かおうとしている方角は繁華街を抜けた先にある歓楽街…いわゆる花街や連れ込み宿などがある場所だ。色事に関して鈍いイルカにも、カカシ達がこれからどこに行こうとしているのか位は分かった。
思わず立ち止まってしまったイルカに気付き、何事かと近寄ってきた同僚達もカカシ達の姿を見つけて囃し立てた。
「うわー、はたけ上忍だ。御盛んだねえ。あのくの一って最近はたけ上忍に散々誘いをかけていたよな。しかしこう見るとスタイル良いよなあ」
「あの人って花街にも良くいるって話だろう?やっぱり上忍は違うなあ」
「しかも同じ相手とは一度しか寝ないって噂だし。まあそれだけ次から次に寄ってくる女がいるって事だろうし、何か羨ましよいな」
「イルカは確かはたけ上忍と仲良くしてたろ?いつもあんなだったのか?」
 そう言いながら同僚の一人が肩を組んでくる。酔っぱらっているせいなのか分からないが、背筋を這い上る様に妙にゾワゾワとした不快な気分になるが顔には出さずに聞かれたことに淡々と答える。
「いや、俺が知っているはたけ上忍はそんな人じゃなかったよ。読んでいる本はどうかと思ったけど、くノ一に囲まれていても相手にしないし、真面目で良い先生だったよ」
「真面目ねえ。でも今はさ、はっきり言って良い噂を聞かないよな」
勝手な話で盛り上がっている同僚達を尻目に、イルカはボンヤリと人ごみに紛れて遠ざかって行く銀色を目で追っていた。
カカシとは…彼が七班を率いていた時、生徒との縁もあり親しくしていた。常に穏やかで下の立場の自分にも気を使ってくれて、一緒にいてどこか不思議とくすぐったいような気分になったのを今でも良く覚えている。
あの時は浮ついた噂など全く無い人だった。だが木の葉崩しの少し後から、彼に関しての色めいた噂が流れ始めた。その少し前からお互いに忙しくなり、カカシとも顔を合わせる事もなくなった。そしていつの間にか顔を合わせれば立ち話をする関係から、軽く会釈するくらいの関係へと変わってしまった。
カカシとの縁が薄れたのと比例するように彼の噂はますます酷くなり、その多くが花街通いやくノ一相手の彼の下半身事情といった、思わず眉をひそめる様な話が多く、それまでのカカシを知るイルカには思わず首を捻る様な噂ばかりだった。
カカシの事を神聖視しているつもりは無いが、自分の知っているカカシはそんな艶めいた噂とは無縁の人だった。イルカはあくまで噂は噂だろうと思っていたが、噂の内容は更に酷くなっていった。
だがさっきのカカシのどこか手慣れたような姿を見ると、噂もその信憑性を増してくる。もう見えなくなった銀色を思い出しながらイルカは何処か胸の奥が疼くような妙な違和感を感じていた。
「何だよイルカ、ボーっとして。やっぱり飲み足りないんじゃないか?」
イルカの肩に回した手を引き寄せ同僚が酒臭い息を吐きかけてくる。
「…ああそうかも」
その腕をさりげなく引き剥がしながら、イルカは上の空で答えていた。
「おっ!!イルカもその気になったか?もうその辺の店に入っちまおうぜ」
「ここで良いか。イルカを入れて何人だ?席空いてるか聞いてくるわ」
 酔っ払い特有のテンションで騒いでいる同僚達を横目に見つつ、胸の奥にある疼きと違和感を誤魔化す様に胃の辺りをベストの上から擦っていた。
そうして席が開いていたと言って店の中に引き摺り込まれたのだった…。 

****

~中略~

書庫の扉の前で(そう言えばこの前、久しぶりにはたけ上忍と話をしたのはここだったよな)と思い出しながら、イルカは指先で鍵穴を探り開けようとした。すると又横から伸びてきた手に鍵を掠め取られた。
「今回もまた凄い量ですねえ。今開けますから、少し下がって貰えます?」
 耳元から聞こえた声に驚いて思わず一歩後ろに下がる。この前の様にイルカから鍵を掠め取ったカカシは、そのまま鍵を開けた。
「あ…はたけ上忍ありがとうございます。今回も助かりました」
「どういたしまして。前回と合わせてこれで貸し二回かな?」
冗談めかしてそう話すカカシに何て返せばいいか分からず、頭を下げ軽く会釈すると、イルカは書庫に入った。
 資料を机の上に置き振り向くと、カカシは何故かイルカの後ろにいた。
「はたけ上忍。あの…書庫に何か御用でしょうか?」
 そう問いかけたイルカを、カカシは無言で壁際に追いつめていく。
カカシにじわじわと追いつめられたイルカの背中が壁についたその時、廊下をヒールの音が響き渡った。
「イルカ先生。悪いんだけど、二回分の貸しの対価を頂戴ね」
そう言ってカカシは目を細め、イルカの頬をやんわりと押さえてきた。
「ごめんね?出来るだけ迷惑かけないようにするから、ちょっと手伝って」
そう囁くと、もう片方の手で、カカシは口布をするりと下した。
甲高いヒールの音は書庫の前で止まると、物凄い勢いで扉が開けられ、それと同時にカカシは顔の角度を変え、イルカの顔に近付けてきた。
「カカシやっと見つけた!!ってちょっとあんた何してんのよ?!」
『黙ってて?』とイルカに囁き、カカシは顔を傾けて、お互いの息がかかるほどイルカに顔を近づけてきた。そして近づけていた顔を離すと、口布をあげながら振り向き、入り口にいる人物に話しかけた。
「んー、何って。アンタさ、今のを見て何していたかわかんないの?」
 一体何事かとカカシの陰からそっと顔を覗かせると、そこには先日カカシを探していたくの一が憤慨した様子でこちらを見ていた。
「ちょっとあたしにはキス一つしなかった癖に、こんな所で何してんのよ?!しかも相手は男じゃないのよ!!」
「俺の大事な人に酷い事を言わないで貰える?アンタにはさ、キスする気も起きなかっただけだ。悪いけど俺達の邪魔をしないで貰えるかな」
「はあ?カカシってば何言ってんの。何でそんな男相手に?!」
「だからさ、この人は俺の大事な人なの。この人は、アンタと違うの。」
そう言うとカカシはイルカをくノ一の目から隠すように肩を引き寄せて、その肩を優しく撫で擦った。
彼女は目を丸くし、信じられないといった表情で首を横に振りながらカカシを見ていたが、ハッと我に返ると柳眉を寄せ二人を睨みつけてきた
「あんたに抱かれた他の女達の言う事を信じればよかったわよ。抱く時にキスもしなけりゃ愛撫も無い。自分が突っ込んで、イケば満足してそのまま終わりにする独りよがりなセックスしないくせに。男の方が大事ですって?最っ低、アンタの相手なんて金輪際お断りよ、このホモ野郎が!!」
カカシに向かって吐き捨てるように言い、もう一度二人を睨みつけるとドアを叩きつけるように出て行った。

「はー、良かった。本当にしつこくて困っていたんだよね。どうやったら諦めて貰えるかと思ってたけど、イルカ先生に手伝って貰って助かったよ」
 カカシはそう言いながらようやくイルカの肩から手を離した。
「いきなり顔近づけて、素顔見せられて、何事かと吃驚しちゃいましたよ」
冗談めかして言いながらも、イルカは久しぶりに見たカカシの素顔に妙にドギマギしてしまったが、それと同時に最近胸の奥に最近時々やってくる不思議な重苦しさを感じる。ひょっとして久しぶりにカカシといて緊張しているのかと思い、少しでも距離を取ろうと資料の置いてある机の傍に移動した。
「あの…ところで今の方は一体…カカシ先生の…元…恋人ですか?」
「恋人?誰が!確かこの前も言ったけど、あれはただの性欲処理の相手だよ。向こうがどうして抱いてくれって言うから一回だけヤッただけ。なのにしつこく付き纏われて辟易していたんだよね」
「え?は?その…性欲処理って」
「何度も来るから一人でやるよりは良いか思ってヤッたのに、わざわざ愛撫なんてする訳無いよね、それにキスなんてしたら、何を仕込まれるか分かったもんじゃないしね」
 カカシの口からは信じられないような単語がポンポンと飛び出してきて、イルカは思わず目を見張ってしまう
「何を…って一体その、何を仕込まれるんですか?」
「口の中に媚薬とか催淫剤を仕込んで口移しとか。戦場だとキスしてそのまま舌を噛み千切られたり、フェラされて性器を噛み切られ出血多量で死亡とか。まあ里じゃあそこまで心配しなくていいと思うけどさ」
 呆然としているイルカを見てクスリと笑うと、カカシは話を続けた。
「俺は小さい時に戦場でその現場を実際見たんだよね。あまり聞きたくないかもしれないけど物凄い壮絶だったんだ。あれを見てトラウマになったのかな?今でも誰が相手でもキスもしたくないし、フェラもされたくない。でもある意味ファーストキスもまだってさ、何か純情っぽくない?」
「純情な人は…性欲処理って言わないでしょう」
 やっとの思いでイルカがそう言うと、カカシはあっけらかんと続けた。
「でも性欲処理は性欲処理でしょう?さっきの相手だって最初にさ『俺はヤったからって、そいつと付き合う気はないし、同じ人とは二度はヤらない。性欲処理だから俺の好きに抱いて、相手を気遣ったり感じさせる気はないよ』って言っておいたんだけどなあ」
 カカシはため息を吐くと大きく伸びをした。
「潤んだ目で『一回でもあなたに抱いて貰えるならそれでも構わない』って言うし、スタイルもそれなりだと思ってヤッたらその後付きまとわれて辟易したよ。やっぱり面倒臭がらずに花街に行くべきだったね」

イルカは目の前のカカシをまじまじと見つめてしまう。
昨日も思ったが、『目の前にいるカカシ』は本当に『自分の知っているカカシ』と同一人物なんだろうか?
イルカの知っているカカシは、卑猥な内容の本を人前で読むことはあったが、常に囲まれているくノ一達からの誘いは面倒臭そうに断り、受付で任務後の上忍同士で盛り上がり色街に行くと決まったも『面倒だからいいや』といつも断った後で『男同士で飲む方が気楽でいいですよね』と受付にいたイルカの事をこっそりと飲みに誘ってきた事もある。
『性欲処理』とか『頼まれたからヤッた』とか、あっけらかんと口にしているが、自分と縁の薄くなった間にカカシに一体何かあったのだろうか?
イルカがそう考えた時、胸の辺り感じていた重苦しさが更に重量を増していき、塊の様なモノになった気がした。
自分で気づいていないがやはり具合が悪いのか?とイルカが眉根を寄せた。その顔を見て何か勘違いしたらしいカカシが首をかしげてきた。
「あ…イルカ先生は特定の相手じゃなきゃ駄目な人なの」
「特定の相手って…普通はそうじゃないんですか?」
「じゃあさ、彼女がいないときに、溜まったり妙にムラムラした気分の時はどうするの」
「そんなの…我慢するとか、その…ひ、一人で処理するとか、方法は色々あるじゃないですか!」
「ふうん、そんなもんなのかねえ…」
 首筋を擦りながら、カカシはイルカの事を見ている。
「あのですね、はたけ上忍。誰もが貴方のようにモテたり、花街に行くお金を持っている訳では無いんです。それよりも、さっきの方、俺達がその…キスしていたって、誤解してましたよ。良いんですか?」
「あーそうだったね。顔は隠れていたし、イルカ先生には迷惑かけていないと思うけど。でもこれでしばらくは身の回りも静かになるといいなあ」
 イルカに向かって申し訳なさそうな顔をしながら頭を掻いているカカシを見て(こんな所は昔と変わらないな)とイルカは懐かしく思った。それと同時にカカシがどこか可愛く見えてしまい、少しからかう様なセリフを口にしていた。
「ありがとうございます、俺の事は大丈夫です。それよりもはたけ上忍。あんな真似をして、すぐに噂になりそうですね。ひょっとしたら明日からは男の方にもモテて、更に大変な事になるんじゃないんですか?」
「んー、それは大丈夫。俺はさ、男には興味は無いし、男を抱く気も無いから。戦場でもそうだったし。言い寄られても相手にする気は全く無いよ」
カカシが何気なく言った一言が、棘の様にチクリとイルカの心のどこかに引っかかった。それと同時にさっき感じた胸の塊が、せり上がるようにぐっと移動してきた。(何だ、さっきから。何か気持ち悪いというか、胸がムカムカするというか…)その違和感を吐き出すかのように、イルカは溜息を吐きながらカカシを諭す様に話しかけた。
「そうなんですか…じゃあ断るのに男の俺とキスの真似事なんてしちゃ駄目ですよ。変に誤解されますよ」
「いえいえ逆に『俺はキスの相手にしか興味は無い』って言って断れるかな。やっぱり花街が気軽でいいですね。お金払えば、ヤッた後も言い寄られなくて済むし、正直言って気が楽ですね」
 笑いながらそう言うカカシの顔を見ているうちに、イルカは叫びだしたい様な怒鳴りたい様ななぜかわからないがムカムカした気分になった。
(やっぱり具合が悪いのか?書類の片づけもあるし、久しぶりにゆっくり話が出来たけどそろそろ帰って貰おう)そう思いイルカは口を開いた。
「あの、はたけ……ングッ!!」
 カカシに話しかけようと口を開くと、さっきから感じていた違和感が胸元から喉の方へと急激にせり上がってきた。イルカは口元と胸元を押さえ、押し寄せる圧迫感に耐え切れず思わずしゃがみこんでしまった。
「どうしたんですか、イルカ先生」
カカシが慌てて近寄ってきたが、話す余裕などイルカには全くない。グググッと食道を押し広げるようにして、その塊は胸元から上へ上へとどんどんと昇ってくる。嫌な汗がうなじから背中へと伝い流れているのが分かる。塊はついに喉元までやってきた。イルカはとっさに少しでも床を汚さないように両手で口元を押さえる。苦しさのあまり涙も出てくる。
「ン……グハッ!!クハッ…ンッ…」
 口元から何か塊が飛び出してきた。涙を流しながら何とか吐きだすと、手のひらで受け止めた『それ』を見て、イルカは思わず目を丸くした。
「…これ…どう見ても……花…だよな…」

イルカの手の上にあったのは…色鮮やかな三輪の花だった。

自分が吐き出したモノが何なのか信じられず、イルカは自分の手のひらをの花をただ呆然と眺めていた。その時上から声が降ってきて、カカシの存在を忘れていたイルカは慌てて上を見る。そこには今までに見た事がない位真剣な表情のカカシがいて、イルカとその手の上の花を見比べていた。
「イルカ先生……花を吐いた?アンタ…一体どうしたんですか」
「あの…俺にも分からないんですが…一体何でしょうね?幾ら金が無いからって、昼食に花を食べた覚えはないんですけど…なんてね」
「何を笑って誤魔化そうとしているんですか!イルカ先生…ちょっと俺と一緒に来てください。今から綱手様の所に行きます」
イルカは花を吐いた事が信じられず、焦って自分でも訳の分からない言い訳をしてしまう。カカシはそんなイルカを一蹴すると、二の腕を掴んで強引に立たせ引き寄せた。
「そんな…大丈夫ですよ。ちょっと具合が悪かっただけだと思います」
「は?ふざけないでください。さっきから何を言っているんですか!『具合が悪くて口から花を吐く』なんて話を俺は聞いた事がありません。綱手様なら、何か知っているかもしれません。さ、行きますよ!」
 花を手にしたまま、イルカはカカシに引きずられるようにして、綱手の元へと連れて行かれた。カカシが火影室のドアを軽くノックをすると、『お入り』と声がした。
*****
~中略~
 布団に入り目を瞑るが、どうも先程のイルカの泣き顔や、白いうなじがカカシの瞼の裏をチラついて離れない。趣旨替えをするつもりはないが、先ほどイルカに告げた言葉に嘘は無かった。
男を抱く気は今でも毛頭もない。
だけど白いうなじと艶やかな黒髪を見たあの瞬間、月の下で見た妖艶な雰囲気と相まって、イルカなら抱けるんじゃないかと思ってしまった。
むしろ堅物な彼がどんな声を出し、悶えるんだろうか?などと想像し、むしろ抱いてみたいかもと、本人が聞いたら殴られそうな事までカカシは思い『慰めてあげましょうか?』と思わず口をついて出てきてしまった。
薄暗闇の中そっと左手を持ち上げて、じっと眺める。自分がうなされていた時に毎夜そっと繋いでくれていたあの手は、あの指先は、彼を抱いた時はどんな艶めいた仕草を見せるのだろうか?
 カカシはどこか悶々とした思いを抱えたまま、布団の中で寝返りばかりうっていた。眠りが訪れる気配は微塵も感じらない。
イルカに声を掛けて、酷く拒否されたなら冗談で済ませてもいい…そう思ったカカシはむくりと起き上がる。
隣で一瞬驚いたようなイルカの気配がしたが、そのまま何も言わず、相変わらずカカシに背を向けていた。
「イルカ先生?」
 そう呼びかけながら彼の布団ににじり寄り、上掛けの上から肩に手を置くと、イルカはカカシが驚く位、びくりと肩を震わせた。
「イルカ先生、起きているんでしょう?こっちを見てください?」
「…何の用ですか?」
「今のまま寝たらうなされそうなんで、手を繋いでいただけますか?」
「…寝ている時にうなされていたら、その時はちゃんと手を握って差し上げます。わかりましたらさっさと寝てください」
「というのは冗談です。本当はですね、寂しそうなイルカ先生に人肌の温もりを与えに、夜這いしに来たんです」
「…カカシさん。さっきから笑えない冗談はやめてください」
 背中を向けているので表情は判らないが、イルカがそう言いながら大きなため息を吐いたのがカカシにも聞こえた。
「冗談じゃないんですけどね。じゃあこうしましょう。俺が寂しいんです。だからイルカ先生が温めてください」
「寂しいって…カカシさんは、さっき花街に行ってきたじゃないですか」
「だから、帰って来た時に何もなかったって言ったでしょ?酒だけ飲んで帰ってきたんです。ねえ、イルカ先生が慰めてくださいよ」
「ですからカカシさん!性質の悪い冗談は止めてくださいと…」
 苛立ちを隠せない声でそう言い、勢いよく上掛けを跳ね除けると、イルカは半身を起こしてカカシの事を睨みつけようとした。だが思った以上に近いお互いの距離に思わず息を飲む。
 イルカは息がかかりそうな位のお互い近さに、少し腰を引いて距離を取ろうとした。だがカカシの動きの方が一瞬早く、肩に手を回すと自分の胸に引き寄せてきた。全身を強張らせ、子供がぐずるように頭を振りながら、イルカは囲われてしまったカカシの腕から抜けようとする。
「カカシさん!駄目です…あなたは男には興味は無いって言っていたじゃないですか?」
「男には興味は無いんですがね、アナタには興味があるんですよ」
耳元で甘く囁かれ、イルカは思わずビクリとして軽く力が抜けてしまう。追い打ちをかけるようにカカシは更に耳元で甘く囁きかけた。
「イルカ先生は、俺に触れられるのは嫌ですか?」
「カカシさんは…いつもそうやって誘いをかけるんですか?」
「ねえ、イルカ先生、こんな時の他の人の話をするのは野暮ってもんじゃないですか」
「寂しいならまた花街へ行って来てください」
「ここにいる二人とも寂しいんです。寂しい同士で丁度良いじゃないですか?そうですね…。さっきの満月と見事な花の香に酔って見た一夜の夢だと思えば良いんですよ」
 そう囁いた後、軽く耳朶を噛んで抱きしめていた腕を緩める。
 何かを考える様な、少し困ったような顔をして何も言わなくなったイルカの胸を軽く押して布団に押し戻すと、ゆっくりとその上へと覆いかぶさって行った。

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