プロフィール

とめきち

Author:とめきち
2013年夏カカイルにはまった新米カカイラーです。
煩悩のまま駄文を書き散らしております。

ギャグとシリアスが混沌としております。
闇鍋みたいなサイトです。

本人は読むのは雑食です。
書くのはカカイルメインでちょっこっと捧げ物でライアオ書いてます。
こちらはカカイルサイトなのでそちらはUPしてません。

溺愛するポケモンはラプラスと使いやすさでコバルオン。
お稲荷さんと聞くと変態仮面が真っ先に思い浮かびます。
意外と手先が器用です。

基本的にギャグのカカシ先生はイルカ先生の話をキチンと聞いてませんし変態です。
イルカ先生は基本ツッコミです。

現パロのリゾートシリーズは基本カカイルですが色々なキャラが出てます。
っていうか最近そっちがメインな気もします・・・。

高校生シリーズは一旦完結しましたがたまに番外編で出てきてます。

リンクフリーです。
報告とかしてもらっちゃったら即効お邪魔します。
相互とかさせていただいちゃったりしたら喜んで話の一本でも書かせていただいて手土産にお邪魔いたします(笑)

ではへっぽこで珍妙で拙い文ではありますが宜しければお楽しみいただければ幸いです。

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キリ番はしばらくお休み中です

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夢十夜 第一夜目

夏目漱石先生のの「夢十夜」という作品があります。
「こんな夢を見た」から始まる幻想的な不可思議な話なのですが十夜違った話のいわゆる短編集です。
そのお話には遠く及びませんが、どこか不可思議な感じの後ろ暗いような話を書いてみたいと思いながら『微妙な感じの話だし』と書くのを躊躇ってました。
ですが『そんな話でも読んでみたい』といって下さったN様の有り難い言葉に後押しされて書かせていただきました。

オチもあいまいですし、ホラーっぽい話や不可思議な話、後味が良くない話も入るかもしれません。
『そんな夢を見た』と思って読んでいただければ幸いです。
今回の話は、12月公開の映画のCMの内容が少し入ってます。
もしそんな夢の話でもよろしければ、追記より『どんな夢』なのかご覧になってください・・・







夢十夜  一夜目




こんな夢を見た



カカシは暗い中、真っ直ぐに伸びた道をひたひたと歩いている。
暗い筈なのに目の前に伸びている道は、それ自身が発光しているかのように薄らぼんやりと光っている
ふと気づいたが、何処か左側が寂しい。
いつもあった筈の温もりがどこかに行ってしまった気がする。

そのまま真っ直ぐな道を歩いていると、いつの間にか市の様なモノが両脇に広がっていた。
薄らぼんやりと照らされた辺りを見回すと、カカシの周りはいつの間にか人で無い異形なモノ達が埋め尽くしている。
眼が一つしかないモノ、頭に角が生えたモノ、尻尾のあるモノ等々不可思議な生き物たちだ。
そんな生き物達に囲まれているのに、辺りはひっそりと静まり返っている。
時折こそこそと店の者たちと交わしているらしい会話が聞こえてくるが、市にありがちな喧噪といった音が聞こえない。
どんどんと増えていく異形のモノ達に押しつぶされそうになったカカシは、傍らのテントに入り込んだ。

そのテントは何か品を置いている訳では無く、フードを目深に被りマントを羽織った異形とも男とも女とも分からぬ人物が、ただ筵の上に胡坐をかいて座っていた。
男が胡坐をかいているその足の上には、どこか不思議な笠が置かれている。
その笠には飾り等は無く、前の部分に一文字『火』とだけ書かれていた。
何処か嫌な感じがする笠を見たくなくて、カカシはその笠から目を逸らした。

「・・・何をお探しですか?」

そう問うてきた声で、目の前の人物が恐らく男であろうという事が分かった。
どこか懐かしい感じのする声に釣られたかのように、カカシは自然と口を開いてた。

「ここは一体どこなんだ?」
「夜の狭間の市です」
「市ならなぜこんなに静かなんだ?」
「昼ではなく、ここは夜の市だから。皆欲しいものが他人にばれぬ様、気を付けて隠しているからです」
「なぜ辺りには異形なモノしかいない」
「夜の狭間の市には何かを探しているモノが集まるから。異形に見えるかもしれませんが皆『欲望に忠実である人間』です」
「じゃあなぜ、俺にはあんな恰好をしている様に見えるんだ」
「アナタにはその眼があるからです」

男は顔を隠したまま、額当てに隠されている亡くなった友から譲り受けた赤い目を指差してきた。

「アナタにその眼は人の欲や妬みの元となる。孤独に戦うアナタを心配して、その眼は、アナタを守るために隠している欲を纏っている人々を異形に見せ、守ろうとしている」
「ではあなたの事も異形に見えるのか?」
「それはアナタ自身が確かめてください」

そう言うと男は被っていたフードに手を掛け、カカシに向かってまた問うてきた。

「もう一度、問いましょう。アナタは何を探しにここに来た?」

男に問われたカカシは、考えるよりも先に口が勝手に動た事に自分自身驚いたが、勝手に動いた口はそのまま言葉を紡ぎだしていた。

「俺は・・・失った温もりを探している」
「・・・その温もりは本当にアナタにとって必要なモノなのか?」
「俺が必要だと思うから、必要なのだ」
「だが、アナタの周りの人達は『それ』を不要と判断したのではないか?」
「そうだとしても俺にとってはかけがえのない大事モノだ。失くしたくない」

カカシと禅問答のような会話を交わした男は、溜息を小さく一つ吐いた。
そのまま少し俯くと自分の被っているフードを脱ぐ。
パサリと音がして肩下まで長さのある豊かな黒髪とその隠されていた顔がカカシの前に現れた。
鼻の上を横切る傷を持つ漆黒の目をした男は、その眼でじっとカカシの事を見つめている。

「どちらか選んでください」

男はそう言うと、膝に置いた笠を手に取る。
カカシの目を見つめたまま笠を持った手と、その反対の空いている方の手をカカシに向かって差し出してきた。

「さあ、アナタに必要なものはどちらなのか。しっかりと良く考えて選んでください」
「こんな簡単な選択・・・。考える必要なんてないでしょう!!」

カカシは男の問いかけに吐き捨てるように答えると、笠を持った手と反対の男の手を取り、自分の方に引き寄せた。
胸に抱いた男と唇を重ねると、やっと自分の横にあった温もりを取り戻したという安心感に包まれる。

「     」

カカシが愛しげに呼んだ筈の男の名は、口にした途端・・・空気に溶けたかのように何故か音にならない。

「やっと見つけた。俺は『     』の事をずっと探していたんです」

やはり男の名前を呼ぶ時だけ音にならない。
男は手をカカシの胸に押し当て、少し距離をとる。
そして音にならない言葉で愛しげに男の名を呼び続けるカカシの顔を、男はただ見つめている。

目の前の男が何の反応も返してこないことに不安なったカカシは、男に向かって手を伸ばす。
そんなカカシの姿を見つめながら男は小さく頭を振った。

「アナタは・・・選んではいけない方を選んでしまった」
「何を馬鹿な事を言っているんですか!!『     』以上に大切なモノなんてある訳がないでしょう?」
「そうだとしても、あなたは俺を選んではいけない・・・」

男は小さくそう呟くと、もう片方の手持っていた笠をカカシの頭に被せる。
笠をかぶった途端、カカシは粟立つような嫌悪感と、心に穴が開くような喪失感に襲われた。
男は笠をかぶせて空いた手を、額当てに隠されたカカシの左目の上にそっと置いた。

「この笠はアナタ以上に相応しい人は今はいません。アナタが間違ってしまった選択の代償に・・・『これ』は俺が貰っていきます。アナタが必要以上に誰かに妬まれ、敵を増やさぬように・・・。アナタにはもう『これ』が無くても大丈夫だから」

カカシの顔から手を離した男の手のひらには、小さな瓶に入った写輪眼があった。

「・・・さようなら、カカシさん。そして初めまして・・・・六代目」

瓶を握り締めた男は何処か泣きそうな顔でそう告げると、トンとカカシの胸を押してきた。
後ろ向きに倒れ込んだカカシは、もがきながらも必死に男の手を掴もうとする。

「     !!」

男の名前を呼んだカカシの声はまたもや空気に溶け、被せられた笠は何故かカカシの顔を覆ってしまい前が見えない。

そしてそのまま、カカシの世界は闇に包まれた。

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