プロフィール

とめきち

Author:とめきち
2013年夏カカイルにはまった新米カカイラーです。
煩悩のまま駄文を書き散らしております。

ギャグとシリアスが混沌としております。
闇鍋みたいなサイトです。

本人は読むのは雑食です。
書くのはカカイルメインでちょっこっと捧げ物でライアオ書いてます。
こちらはカカイルサイトなのでそちらはUPしてません。

溺愛するポケモンはラプラスと使いやすさでコバルオン。
お稲荷さんと聞くと変態仮面が真っ先に思い浮かびます。
意外と手先が器用です。

基本的にギャグのカカシ先生はイルカ先生の話をキチンと聞いてませんし変態です。
イルカ先生は基本ツッコミです。

現パロのリゾートシリーズは基本カカイルですが色々なキャラが出てます。
っていうか最近そっちがメインな気もします・・・。

高校生シリーズは一旦完結しましたがたまに番外編で出てきてます。

リンクフリーです。
報告とかしてもらっちゃったら即効お邪魔します。
相互とかさせていただいちゃったりしたら喜んで話の一本でも書かせていただいて手土産にお邪魔いたします(笑)

ではへっぽこで珍妙で拙い文ではありますが宜しければお楽しみいただければ幸いです。

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キリ番はしばらくお休み中です

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カレーの日

昨日はカレーの日だったそうです。
手直しが入ったので一日遅れましたがカレーの日にちなんだ話です。
少し前にツイッターでフォロワーさん達と盛り上がったネタが元になっています。
しばらく話を書いていなかったので、リハビリを兼ねて軽い話です。
タイトルはとりあえずなので多分後で変えます。
忍び設定で付き合っていない二人の話です。
良ければ追記よりお読みください・・・。


カレーの日

 なんで・・・なんでこうなったんだろうか?
 俺は目の前にある鍋をじっと眺めた。
 けれど穴が開くほど眺めてみても、鍋の中身が魔法のように何か別のモノに代わる訳では無い・・・。
 
 本当だったら今頃は部屋中どころか部屋の外まで食欲をそそる独特な芳香が漂わせ、任務で疲れた彼の事を美味しい食事でもてなす筈だった。
 それなのに今この部屋にはその食欲をそそる匂いの中に、焦げ臭い様な酸っぱい様な匂いが混ざって漂っている。
 チラリと時計と傍らにある白い紙に目を落とす。 先程彼が飛ばしてきてくれた式には『これから報告書を出しに行くので、もう少しでそちらに伺います。楽しみにしています』と書かれていた。

「取り敢えず御飯だけでも炊いておこうかな」

 炊飯器のスイッチを入れるとその勢いのまま冷蔵庫の中を覗き込む。
 昨日張り切って買い込んだ材料は殆ど鍋の中へと消えてしまい普段から碌に自炊しない低いモーター音を響かせている冷蔵庫の中には、付け合せにと買った漬物と野菜が少し位しか残っておらず、何かを作り直すにしても買い直すにしても時間がない。
 空っぽの冷蔵庫の中を見つめながら長い長い溜息を吐きだすとガシガシと頭を掻く。

「あ~イルカ先生に何て言おうかな・・・」
 
 小さく呟きながら冷蔵庫の扉を閉めると、昨日のウキウキとしながら材料を買い込んだ時とは打って変わった重苦しい気分のまま、コンロの上の鍋をもう一度眺めた。


 今日は珍しくイルカ先生が短期だが泊りがけで任務に出ていて、帰宅後はうちで一緒に食事をする予定だ。
 先日帰宅途中の彼を何時もの様に待ち伏せし偶然を装って食事に誘い、最近二人で良く行く定食屋で注文した品を待っている間にその話を聞いたのだ。
 「実は今度久しぶりに任務にでるんですが、久しぶり過ぎて緊張します」と少し不安げに話す彼が可愛くて、どうせなら任務後の彼も見てみたいと思った俺は気が付くと思いついたことをついそのまま口にしてしまっていた。 

「イルカ先生ならきっと大丈夫ですよ。心配する事なんて何もないんじゃないですか?そうだ、帰ってきたら飲みに行きませんか。久しぶりの任務お疲れ様と言う事で俺が奢りますよ!」

 俺の言葉にイルカ先生は驚いて目を見開いた。

「カカシさん、幾ら俺が任務に出るのが久しぶりだからって何もそこまでしなくても・・・。そんなに重大な任務って訳じゃないんですよ」
「何言っているんですか?『どんな任務でも任務は任務だ!!』ってナルトに向かって行ったのは誰でしたっけ?」

 からかう様にそう言うと、ぐっと言葉に詰まった彼は何か誤魔化すかのように手元の水を一気に飲み干した。

「確かにそう言いましたが・・・。でもそうだとしてもお祝いで奢ってくれるとかやりすぎですよ。暫く里を留守にする長期任務ならまだしも、すぐに戻りますし」
「そうですか?うーんじゃあ何か他にいい考えはないかなあ・・・」
「何もなくて良いですよ。カカシさんのその気持ちだけで十分嬉しいです」
 
 にかっと笑ってポリポリと鼻傷を掻いているが、その顔が赤いのは店の中がやけに暖かい所為だけではないと俺は思いたい
 ちょこちょこ待ち伏せて声をかける俺からの誘いを断られた事はないが、お互いの家で飲んだりすることも無い。
 食事の席で彼に対してさり気なく好意を示す俺の事を、彼は嫌がってはいないと思う。
 さり気なく示す好意を否定されないたびに、思い切って彼の中で俺はどんな存在なのか、どう思っているのか聞こうとするがその度に『今の心地よい関係を崩す位なら、しばらくこのままでいいんじゃないのか?』ともう一人の俺が囁いてくる。
 結局俺は、あと一歩が踏み出せないままずるずると友人の様な、ただの知り合いの様な、どこか曖昧な関係のままを続けているが、最近ではこの曖昧さがもどかしくて仕方なくなってきたのだった。
 折角訪れたこのチャンスを無駄にはしたくないと、さり気なく彼に向かって別の提案をしてみた。

「じゃあ、俺が食事を作ります。それをイルカ先生が食べに来るっていうのはどうですか」
「でもそうするとカカシさんに迷惑がかかるんじゃないんですか?」
「迷惑なんてそんな事ないですよ!俺に任せておいてください」

 思わず身を乗り出して勢いよく話す俺にイルカ先生は若干引き気味な気もしたが、それでも首を縦に振ってくれた。

「そこまで言うなら久しぶりの任務で疲れるかもしれないんでお言葉に甘えますね」
「じゃあ帰還して報告書を出したら、すぐに俺の家に来てくださいね」
「わかりました、楽しみにしていますね」
「任せておいてください!」

 そうして俺はイルカ先生が家にやってくる今日と言う日を心待ちにしていたのだった。
 俺の家で一緒に食事をして、もしちょっと良い雰囲気になったら気持ちを伝えるのもありかな~などと浮かれながら何を作ろうかと本屋で片っ端から料理の本を読み漁った。 
 そこでたまたまガイに会った俺は『誰に食べさせるかは知らないが、野営以外でロクに料理をした事が無いなら無難で簡単なメニューにしろ』とひたすら薦めてきたカレーを作ることにした。
 帰還予定の前日の昨日、任務後にスーパーによった俺はガイに教わった作り方や本で調べた材料を色々と買い込み、今日は朝からカレーを作り出したのだった。
 玉ねぎをひたすら炒め、肉や野菜も炒めそこに水を入れる。くつくつと良い匂いのし始めた鍋の湯気の向こうにイルカ先生の喜ぶ顔をが浮かんでいる気がした。
 ひたすら煮込みながら折角だからと本で見たり、話しに聞いた隠し味を片っ端から入れているうちに美味しそうだった匂いはどんどん変わっていき、出来上がったのはカレーの筈なのに不思議なにおいを漂わす代物だったのだ。

 ため息を吐きながらもう一度鍋を覗き込み、張り切って作ってしまったその量に我ながらうんざりする。
 ご飯は炊いたがこうなったら惣菜を買いに行くよりも、外に食べに行った方がいいんじゃないか・・・そう思い出したその時、玄関で軽やかなチャイムの音が鳴り響いた。
 思わずビクリと肩を震わせ玄関の方を見ると、もう一度チャイムが鳴る。
 重い気持ちのままノロノロと向かいドアを開けると、任務明けで少しくたびれた感じのイルカ先生が立っていた。

「イルカ先生おかえりなさい。御無事で何よりです。お怪我はありませんか?」
「カカシさん只今戻りました。けが等特にありません。心配してくださってありがとうございます」
「取り敢えず中に入ってください。荷物をその辺に置いたら座って待っていてもらえますか」

 そう告げると俺は台所に向かう。
 鍋を隠す暇も換気をする暇も無くどうしようもないと腹をくくる。この鍋の中身を見せた後でイルカ先生自身にどうするか決めて貰おうと考えた。
 ずしりと重い鍋を両手で持ちイルカ先生がいるテーブルの鍋敷きの上へと載せ、俺はそのままイルカ先生の向かいの席に座る。
 俺は大きく一つ息を吸うと、テーブルの上で存在感を主張し続ける鍋を恨めしげにそっと見たあと、話を切り出した。

「あの、お話があります」
「はい、何でしょう?」

 少し畏まって話を切り出す俺につられたかのように、イルカ先生も背筋を伸ばして椅子に座りなおした。

「今日はイルカ先生に俺が手料理をご馳走するって話をしましたが、実はカレーを作ろうとして失敗しちゃったんです」
「・・・失敗したのってひょっとしてこの鍋の中身ですか。カカシさん、カレーを失敗って一体どんな作り方をしたんですか?」
「えっと、カレーに入れると美味しいって聞いた隠し味を片っ端から入れてみたんです。きっと入れれば入れるだけ美味しくなるんじゃないかとそう思ったんですが、何だか逆効果だったみたいで」

 イルカ先生は鍋から漂う匂いを嗅いで不思議そうな顔をした。

「確かに・・・何かカレーの匂いの中に何かが混じったような臭いがしますね。それで味見はしたんですか?」
「あ、一応。でも何かその・・・凄い味で・・・更に残ったルーを足したりして何とかならないかと思ったんですが、何ともならなかったみたいで・・・」

 尻すぼみになる俺の言葉をじっと聞いていたイルカ先生は鍋を覗き込んだ。

「まあ取り敢えずどんな味なのか二人で食べてみましょうよ。あ、丁度ご飯も炊けたみたいですね。俺が盛ってきても良いですか?」

 台所からは炊飯器が炊きあがりを知らせるブザーが鳴り響いてきた。
 俺が軽く頷くとイルカ先生は立ち上がり、台所ににある炊飯器の前に立ちその蓋を開け杓文字を手にして用意しておいた二枚の皿にご飯を盛るとテーブルに戻ってきた。
 少し時間が立って表面に薄い膜が出来たカレーをぐるりとかき混ぜると、又何とも言えない匂いが立ち上る。
 イルカ先生は強くなったその匂いに一瞬眉をひそめたが、すぐに何事もなかったかのようにカレーをよそうと俺の前に皿を置き、そのまま自分の分もよそい始めた。

「それじゃあ、御馳走になりますね。いただきます」
「・・・はい、どうぞ」
 手を合わせ軽くお辞儀をした後、イルカ先生は躊躇することなく豪快にご飯とルーを掬い取り口に放り込んだ。
 もぐもぐと咀嚼し飲みこんだ彼の表情からは、何も読み取れない。
 そのままもう一匙掬うと無表情のまま俺をチラリとみてから咀嚼し、ゴクリと飲みこんだ。
 一体どんな顔をしたらいいのか分からず何も言えない俺に向かって、イルカ先生はキッパリと話してきた。

「せっかく俺の為に作ってくれたカカシさんには申し訳ないですが。正直言って確かに不味いです」
「す・・・すみません」

 その言葉に思わず謝った後、恥ずかしくなって下を向いて唇を噛みしめてしまう。。
 カレーの匂いや味見で分かっていたつもりだったが、改めてイルカ先生の口から「不味い」と聞かされた俺は肩をすくめて小さくなってしまう。

「そうなんです、不味いんです。不味いんですけど・・・」

イルカ先生はそこまで話すと、スプーンを握り締めたままテーブルに突っ伏してしまった。

「え、ちょっとどうしたんですか?!イルカ先生大丈夫ですか!!」

 良く見ると突っ伏したままのイルカ先生の肩が段々と小刻みに震えだした。
 そんなに震えだすほど不味かったのか?ひょっとしたら食べた分を吐かせた方が良いんじゃないか?!などと頭の中をぐるぐると色々な考えが駆け巡るが、一体どうすればいいのか分からず、おろおろしてしまう。
 そのうち小刻みだったイルカ先生の肩の震えは段々と大きくなっていった。

「あーもう駄目だ!!我慢できない」

 イルカ先生はそう言うとがばっと起き上がり、今度はテーブルをバンバン叩きながらもう片方の手で腹を抱えて笑い出した。
 そんな彼を俺はきょとんとした顔で見つめている。
 どうやら肩を震わせていたのは具合が悪くて震えていた訳ではなく、笑うのを堪えていたらしかった。

「カカシさん。ど・・・どうやったらカレーをここまで不味く作れるんですか?!俺・・・こんなに不味いカレーって生まれて初めて食べたし、カレーを不味く作れる人って初めて見ました」
「・・・何もそこまで言わなくても」

 イルカ先生は笑いすぎていつの間にか涙目になっていた。
 俺がイルカ先生とは違う意味で涙目になりそうになっていると、イルカ先生は目元に溜まった涙を拭いながら話を続けた。

「でもね、このカレーって不味いんですけど、凄い美味いです」
「・・・は?イルカ先生、今物凄く不味いって言いましたよね」
「はい、言いました。凄い不味いんです。でも物凄く美味いんです。カカシさんが俺と同じように感じるか分からないですけど、ちょっと食べてみてください」

 笑いすぎて潤んだ目のまま、イルカ先生は俺の前にある皿からカレーをスプーンですくうと、口元に持ってきた。
 思いがけない行動に動揺する俺をよそに、イルカ先生はスプーンをぐいぐいと押し付けてくるから仕方なく目を瞑って口を開ける。
 口に入れ咀嚼すると・・・強烈に鼻に抜ける匂いと共に、甘苦いし酸っぱい何と表現したらいいのか分からない味が広がった・・・。
 ゴクリと飲みこむと何とも言えない苦味が残っている。
 自分で作ってなんだけど、これのどこが美味しいんだ?!
 思わず文句を言おうと眼を開けてイルカ先生の顔を見ると「もう一口食べてみてください」と、にかっと笑いながら又俺の口元にスプーンに山盛りのカレーを差し出してきた。
 思わず口を開けると、スプーンによそったカレー入れられる。
 今度は笑いながら俺の事を見ている彼の顔を見ながら咀嚼する。
 うん、不味い。不味いんだけど・・・何でだろう?さっきと違って凄く美味しく感じる。
 これは何でなんだと思わず小首を傾げた俺の事を見ていたイルカ先生は笑いながら口を開いた。

「どうですか。不思議と美味しくないですか?」
「イルカ先生の言う通りです。何でだろう?最初の一口はただ不味いだけだったんですが、二口目は不味いのに不思議と美味いです」
「そうですか。だったら俺は凄く嬉しいです」
「嬉しいですか?でも何でだろう?」
「俺もね、何でかなって思ったんです。でもパッとわかったんです」
「え?どうしてですか?!俺にも教えてください」

 俺の言葉を聞いたイルカ先生は、鼻傷を軽く掻いて少し視線を彷徨わせた後、話し始めた。

「それは・・・多分美味いと思ったのは、俺の勘違いでなければカカシさんが『好きな人と一緒に食事している』からじゃないかと思うんです」
「へ?」

 思いがけない言葉に、俺は彼の顔を見つめるが、イルカ先生は顔を赤らめながら、俺から目を逸らして少し上ずった声でボソボソと話を続けた。

「その、前に好きな人と一緒に食べると何でもおいしく感じるって聞いた事があって、それを食べている途中で急に思い出したんです。そして俺が美味く感じた理由はそれだけじゃなくて『カカシさんが俺の為に一生懸命作ってくれたカレー』なんだからだと思います」

 俺から目を逸らしたままの話しているイルカ先生の顔を見ながら、今言われた言葉を頭の中で反芻する。
 カカシさんが好きな人と食べているからって・・・その言葉の意味を理解した途端、カッと一気に顔が赤くなるのが自分でも分かった。
 それなりに態度に出していたとは思うけど、どうやら俺の気持ちはイルカ先生に筒抜けだったらしい。
 でもそうだとしたらイルカ先生が美味しいと思うのは『俺が作ったカレー』だけじゃなく、俺と同じ理由もあるって・・・まさか?!
 何か言おうと思うのだが、驚いてしまって上手く言葉が出てこない。
 
 イルカ先生は落ち着かない様子で視線をさまよわせていたが、えいやっ呟き勢いをつけて顔を上げると、赤い顔のまま俺の顔をみつめてきた。
 暫くお互い無言のまま見つめあったが、俺はごくりと唾をのみこむと目の前にある鍋を指さしながら思いきって話し始めた

「イルカ先生、この鍋を見たら分かると思うんですが、貴方に食べて貰おうと思って頑張って作りすぎちゃったんです」

 彼は俺の言葉に軽く頷いて見せた。

「そうですね。そしたら明日もここに食べに来ます。カレーは二日目がおいしいって言うじゃないですか」
「でも物凄い量ですよ。二人で食べきれますか?」
「そうしたら冷凍すればいいじゃないですか。そうすればしばらく持ちますよ」
「でもきっと・・・冷凍しておいても一人で食べたら美味しくないです」
「そうしたら又俺が食べに来ます。それにこれだけあるなら貰って帰ってうちでも食べます」
「ねえイルカ先生。このカレーは一人で食べたら美味しくないんじゃないんですか?」

 俺の言葉にイルカ先生は首をかしげて見せた。

「そうですね。きっと一人じゃ美味しくないと思うんで・・・そうしたらカカシさんが俺の家に食べに来てください」
「俺が行っても良いんですか?」
「勿論です。カカシさんさえ嫌でなければ来てください」

 柔らかな声色で囁く様にそう言われ、心の奥の方から何だかじんわりと温かいモノが広がってくる。
 イルカ先生は少しだけ減ったカレーの皿を指さし話を続けた。

「ねえカカシさん。取り敢えずこのカレーを食べちゃいましょう。それで、その・・・食べ終わった後で改めてお互いにゆっくり話をしませんか?」
「そ、そうですね。俺はイルカ先生に話したい事がいっぱいあるんです」
「・・・俺もです。でも時間はたっぷりあります。食べ終わったらお互いゆっくり話をしましょう」

 二人で顔を赤らめたまま、美味しくないけどきっと世界一美味しいカレーを黙々と口に運ぶ。
 いつの間にかさっきまでおれの胸一杯に広がっていた憂鬱な気持ちはどこかに消え去っていった。
 これを食べたら目の前にいる彼に自分の気持ちを思う存分に伝えられるんだと思うと、じんわりと痺れるような幸福感に全身を包まれた。
 残った最後のカレーをすくいながら何気なく前を見ると、イルカ先生も最後の一口分をスプーンに載せていた。
 揃えたわけではないのにタイミングの良さにお互い思わず微笑みあってしまう。
 きっとこの最後の一口は物凄く美味しく感じるんだろうな・・・なんて思いながらお互いにスプーンを口の中へとゆっくりと運んだ。

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