プロフィール

とめきち

Author:とめきち
2013年夏カカイルにはまった新米カカイラーです。
煩悩のまま駄文を書き散らしております。

ギャグとシリアスが混沌としております。
闇鍋みたいなサイトです。

本人は読むのは雑食です。
書くのはカカイルメインでちょっこっと捧げ物でライアオ書いてます。
こちらはカカイルサイトなのでそちらはUPしてません。

溺愛するポケモンはラプラスと使いやすさでコバルオン。
お稲荷さんと聞くと変態仮面が真っ先に思い浮かびます。
意外と手先が器用です。

基本的にギャグのカカシ先生はイルカ先生の話をキチンと聞いてませんし変態です。
イルカ先生は基本ツッコミです。

現パロのリゾートシリーズは基本カカイルですが色々なキャラが出てます。
っていうか最近そっちがメインな気もします・・・。

高校生シリーズは一旦完結しましたがたまに番外編で出てきてます。

リンクフリーです。
報告とかしてもらっちゃったら即効お邪魔します。
相互とかさせていただいちゃったりしたら喜んで話の一本でも書かせていただいて手土産にお邪魔いたします(笑)

ではへっぽこで珍妙で拙い文ではありますが宜しければお楽しみいただければ幸いです。

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キリ番はしばらくお休み中です

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イベント参加のお知らせ

6月18日COMIC CITY140に委託で参加させていただきます。
東6レ19a「すあまうどん」様のスペースになります。
新刊は「夢十夜Ⅲ」です
新書版/82P/全年齢/¥500

第一夜  あなたの夢はどんな夢?            
第二夜  天使の籠球          
第三夜  空の琥珀           
第四夜  心の引き出し           
第五夜  記憶の風船              
第六夜  守り石         
第七夜  溺れる理由               
第八夜  自転車           
第九夜  こいととう              
最終夜  こうふくや               
の全部で十夜です。
サイトにのせたものもありますが、かなり加筆修正しています。

下記のお品書きをクリックすると、ピクシブのお品書きに飛べるようになっています。
6月18日お品書き

追記にサンプルを幾つか乗せておきます。
当日は本人もお邪魔しています。宜しくお願いいたします   【第二夜 天使の籠球】

 こんな夢を見た。

目が覚めた瞬間、天井がぐにゃりと歪んで見えた。
その気持ち悪さに思わず頭を振ると、今度は頭の中で鐘を鳴らされているような鈍い痛みがやってくる。
「・・・・・・二日酔いか。久々に飲み過ぎたな」
呟いてみても、自分だけしかいない一人ぼっちの部屋では誰かから返事が返ってくる訳では無い。大きく息を吐くと、その振動でぐらりと眩暈がした。

酒が飲める年齢になった時、大人の仲間入りをした気がした。嬉しくてはしゃぎすぎて、自分の限度も判らぬまま飲んでしまった次の朝訪れるあの感覚。
ここ最近はご無沙汰だった久しぶりのその感覚に耐える為にじっと目を閉じるが、まるで船の上にいるときのような体と世界と揺れているような感覚は消え去らなかった。
「う、喉が乾いた。とりあえず水だな」
自分が二日酔いだと認識した途端、猛烈な喉の渇きに襲われる。独り言を呟くも、口の中はカラカラで喉も張り付きそうなくらいに乾いている。この渇きをまずはどうにかしなくては、この先何も出来ないだろう。そう思った俺は何とか動こうとするが、頭を起こした瞬間に頭の中を突き抜ける様な痛みを感じ、もう一度頭を枕の上に落し痛みが去るのをじっと待つことにした。
頭の中を掻き混ぜられるような、瞼の裏で揺れ動くような独特の感覚が引くのを待ちながら、ふと昔読んだ詩の事を思い出す。
まだ少年と青年の狭間の頃に読んだ詩集。その中で、とある詩人が二日酔いの事を『千人の天使がバスケットボールをしている』と例えていた。他の部分は良く覚えていないが、二日酔いの事をそう例えているその言葉は深く印象に残った。どこか薄ら甘い様な感じすら漂うその言葉の響きに、二日酔いとはそんなに素敵なモノなのか・・・・・・と憧れたのだった。
大人になって自分の限界が分からず調子に乗って酒を飲んだ翌朝、憧れはあくまで憧れであって現実はそんなに甘くは無いと言う事を、俺は自分の身を持って嫌と言う程思い知った。
今までに経験したこと無い程の痛む頭と吐き気に耐えつつ、確かに頭の中で千人でバスケをしたらこんなにガンガンと鳴り響くかもしれないと思いながら頭を抱えていた。でも、ひょっとしたら安酒ばかり飲んでいたから、こんな痛み方をするのかもしれない・・・・・・そんな風に頭の片隅で考えていた。
ひょっとしたらだけど、俺が口にする事のない様な高級な酒であれば、二日酔いも甘い痺れをもたらすようなモノであるかも知れない。
まだ若かった俺は、そんな風に楽観的に考えていた時もあったのだ。
「なんだ。どんなに高級な酒でも、結局二日酔いは二日酔いなのか」
そう呟くだけでズキリと痛むこめかみを強く抑え、自分を何とか誤魔化しながら起き上がると、ぐらりと世界が揺れる。おごりだという彼の言葉に甘え、普段口にするような事のない高級な酒の口当たりの良さと、その飲みやすさと、今まで飲んだことの無い味に驚き、ついつい杯を開けてしまった昨夜の自分に内心蹴りを入れる。
そして、どんなに高級な酒であったとしも二日酔いには変わりは無いのだという事実を知り、改めてちょっとがっかりしてしまった自分を自分で慰めた。
こんなになるまで飲んだのは自分なのだが、そんなに飲むまで調子良く煽てあげた相手の事を逆恨みしながら、何とか立ち上がり台所へ向かった。
棚を漁ると、二日酔いに効くと言う丸薬が出てきた。
何時の物かは忘れたが、まあ無いよりマシだろうと思い口の中に放り込むと流しの前に立つ。コップを出すのも面倒で、蛇口を捻ると直接口を付け丸薬を飲む下しつつ貪る様に水を飲みこんでいると、玄関でチャイムが鳴った。
甲高いその音は二日酔いの頭に突き刺さる様に響く。頭の中を探っても、今日は来客予定は無い。どこの誰だか知らないが、下手に出て誰かの相手をするのも面倒くさく、流しに寄りかったまましばらく放置してみた。だがいつまでたってもしつこく鳴り響く甲高いチャイムの音に根負けし、俺は渋々玄関へと向かった。
「イルカ先生、おはようございます」
「・・・・・・オハヨウゴザイマス」
少しだけ開けたドアの前に立っていたのは、ついさっき脳裏に浮かび心の中で八つ当たりしていたその人で。
「カカシさん、何か俺に御用ですか」
不機嫌そうな俺とは対象的に、彼はにこやかな顔で俺に挨拶をしてきた。
「イルカ先生、思ったよりも元気そうですね。あれだけ飲んだから、てっきり二日酔いで動けないかと思っていたのに」
俺が思っていたよりも酒に強いんですね、ちょっと予想が外れました。と話し続けるその顔を見ていたら、分かっていてあれだけ飲ませていたのかよ! と又ムカムカしてきた。
「そうですね、カカシさんの顔を見たら、また酔いが戻って来た気がします。そんな訳で、これから又休みますので失礼します」
俺は出来るだけ冷ややかな声で返事をしてみるが、カカシさんはニコニコとした態度を崩さない。


第三夜 【空の琥珀】

こんな夢を見た。

とある夏の日。夜と朝が交じり合う頃、俺は何時ものように慰霊碑に向かってフラフラと歩いていた。
あと数時間もすれば茹だる様な夏の暑さに包まれるが、日が昇る前のこの時間帯は寧ろ肌寒さを感じる位だ。
ふと足を止め、朝日差す前の薄暮の空をしばし眺める。濃い青から徐々に色を薄くし薄紫に変わっていく空は少しの間だけでも心に平穏を与えてくれる。
そのまま視線をめぐらせ朝露に煌く草花をぼんやりと眺めていると、少し先にある木々植え込みの間で踊る様な動きをしている人影を見つけた。
一体何だと不審に思った俺は、気配を消し様子を伺いながらそっと近づく。良く見ると木の葉の里の忍服に身を包んでいる。
ひょっとして、ガイのように早朝から何かの特訓でもしているのかも知れない。もしそうだったら邪魔をしては申し訳ないと思い足を止めると、その人物は訓練をしているのではなく何か細長いものを振り回しているのが見えた。
俺の勘違いだ。・・・・・・これはどう見ても訓練には見えない。君子危うきに近寄らずとも言うし、そっとこの場から立ち去ろう。
俺が一歩後ろに下がったと同時に、相手も俺に気付き怪しげな動きを止めた。相手はハアハアと肩で息をしながら眉根を寄せ俺の事を見つめていたが、パッと表情を明るくし俺に向かって声をかけてきた。
「あ、カカシさんでしたか。おはようございます、髪形ですぐに分かりましたよ。どこに行かれるかは知りませんが、随分と早いんですね」
 俺に向かってにかっと笑いながら屈託なく話しかけてきたその人は、最近部下を通じて時折話すようになった人だった。
よく見ると、細長いものと思ったのは片手に持った虫取り網だったらしい。
こんな朝早くに虫取りか? 真面目なのは知っているが、こんな朝早くから良くやるなあ。何て思いながら、俺も返事を返す。
「おはようございます、イルカ先生。イルカ先生こそ、こんな朝早くから、アカデミーの授業で使う昆虫の採集か何かですか?」
「いえ、昆虫採取ではないんです」
 目の細かい網を持つ姿から、夜から早朝にかけて活動する虫を採取してアカデミーの授業でも使うのかと思ったのだが、それにしては取った虫を入れるカゴや箱などが辺りに見当たらない。
「失礼ですけど、それじゃあイルカ先生はさっきから何やっているんですか?」
 恐る恐る訊ねると、彼は片手に持った虫取り網を軽く持ち上げてみせる。
「ああ、これですか。朝露を取ってるんです」
「朝露……ですか?」
「はい朝露です」
 朝露を取る……って、一体何を言っているんだこの人は。
クソ真面目がすぎて、どこかおかしくなったんじゃないか? 

【第四夜 心の引き出し】

 こんな夢を見た

「お疲れ様です、カカシさん」
(あなたがご無事で何よりです)
「ああ、今日の受付はイルカ先生でしたか。久しぶりに会いますね。すみませんが、報告書お願いします」
「はい、お預かりしますね。ところで最近、あいつらの調子はどうですか?」
(あなたの調子はどうですか? 又無理をしてはいませんか)
「イルカ先生は本当に心配性ですね。どうせなら、あいつらを纏める俺の心配もしてほしいですよ」
「カカシさん位の方なら、何の心配もないじゃないですか」
(あなたの事は、あいつらの事以上に、いつも心配していますよ)
「ははっ、信頼されているんですかね」
「そうですよ。はい、カカシさん。残念ですが、ここ間違ってますよ」
本当に話したい言葉は何一つ伝えられないまま、今日も俺は彼に向かって話しかける。
彼が去った後、今日も言いたかったけど言えなかった言葉をごくりと飲み込む。
そして俺は、伝える事ができずに飲み込んだ、言えずの言葉達をそのまま心の引き出しへとしまいこむのだ。

     *****

「うーっ、寒い寒い。ここ最近、寒さが一段と厳しくなってきましたね」
「そうですね。最近はアカデミーでの演習時間もきついですね」
(風邪はひいていませんか? きちんと休んでいますか)
偶然会った帰り道。寒いからかお互いに口数は少ないが、それでもポツリポツリと会話しながら歩いて行く。
「本当に、今日は一段と冷えますよね」
(でも俺はあなたに会えたんで心の中は暖かくなりましたよ)
「早く帰って、何か温かいモノでも食べたいですねえ。でも一人だと作るの億劫ですし、酒を飲むにしても、一人だとどこか空しくてねえ」
「この時間だと、商店街によっても閉店間近だからか、余り品揃えが良くないんですよね」
(カカシさんは、誰かに作って貰ったりはしないんですか?)
「イルカ先生もお惣菜とを買うんですか?イルカ先生って、何となくきっちりと自炊してそうなイメージがあるんですけど」
「うーん、そうやって良く言われるんですけどね。やっぱり一人だと面倒な時も多いですし」
(誰かと一緒に、できるならあなたと一緒なら、作るのも食べるのも楽しいと思うんですけど、一緒にいかがですか)
そんな二人の間を北風がひときわ大きく吹きぬけて行く。


【第五夜 記憶の風船】

 こんな夢を見た。

ポンっと音を立てて手品のように俺の目の前に表れた男は貼り付けた様な笑みを浮かべていた。
手にしている幟には下手なんだか上手いんだか判別つかないような不思議な字体で『風船屋』と書かれていた。
「あんた誰?」
「私は風船屋です」
男は貼り付けた様な笑みを浮かべ「ほらここにちゃんと『風船屋』と書いてあるでしょう?」と俺に向かって手にした幟を指差してみせた。
「もし宜しければ、あなたもお一ついかがですか?」
「はぁ? 風船屋って言うけどさ、あんた何も持ってないじゃないの」
俺が肩をすくめそう言うと男は大袈裟に首を振ってみせた。
「そりゃそうですよ。私の風船は、お客さんの記憶と引き換えですからね」
「はぁ? なにそれ」
「嘘だとお思いですね。・・・・・・そうですね。お疑いでしたら、今日あった出来事の中で自分で必要無いと思う記憶を私にくださいませんか?」
男はそう言うと首を傾げてみせた。
「その代わり良く考えてくださいね。一度私に渡したものは、二度と返す事ができません」
『もしいらない記憶があるなら、どうぞお一つお試しを』男はそう言って、俺に向かって手のひらを差し出さしてきた。
・・・・・・必要無い記憶と言われてもとっさに出てこず、思わず首を捻る。
男は貼り付けたような笑みを浮かべ、こちらに手を向けている。
そんな時、ふと今日会った男の事を思い出した。
何だか俺に向かって、生徒がどうのとかアカデミーがどうのとか熱心に言っていた気がする。
ああ、そうだ。あの男との記憶なら別に俺には必要ないだろう。
「ねえ、記憶を渡すってどうやるの?」
男に聞くと『心の中でその事を思い出して、私にあげる』と思ってください。それで結構です』と貼り付けた笑みのまま教えてくれた。
「そんなもので大丈夫なのか」
記憶を渡すと言うくらいだから、もっと複雑な手順を踏むのだろう思っていたから、思わず拍子抜けしてしまう。
「ええ、それだけですよ。簡単でしょ?」
 確かにそんなに簡単なら、少しくらい試してみても、と俺は心の中で今日会った男を思い出す。確か中忍の男で、アカデミー教師と言っていた。そう言えば、顔に目立つ傷があった様な・・・・・・。
まぁ、そんなのはどうでもいい事だ。俺にはこんな記憶は必要が無い。欲しいならば持っていけばいい。


【第六夜 守り石】

 こんな夢を見た。

「イルカ!」
 後ろから名を呼ばれ、振り返る。
そこにいたのは、受付で時折一緒になる同僚の中忍だった。顔見知りよりかは少し仲が良い程度の彼には良く飲みや食事に誘われていて、幾度か一緒に過ごした事がある。
だが丁度それと同時期に、ナルト達の担当上忍であるカカシさんと同じように食事に誘われたり飲みに行かないかと声を掛けられる事が多くなった。立場の差もあり最初は断っていたが「あいつらの事で相談があるんです」彼の元で修行をしている元教え子達の名を出されるのには弱い。同僚よりもいつも少しだけ早く誘われることもあり、同僚の誘いを断る回数が増え、カカシさんと過ごす時間が増えた。
そして、俺がカカシさんに告白され、悩んだ末に付き合うこととなり、彼とはいつの間にか疎遠になっていた。


「久しぶりだな・・・・・・って、お前その目はどうしたんだ?」
 手を振りながら近寄ってきた彼の姿を見て、思わずギョッとする。
 遠くから見たときには気付かなかったが、右目の辺りに幾重にも包帯を巻いている。
「どうしたんだ、任務で怪我でもしたのか?」
「うん、まあちょっとな。イルカは俺の事を心配してくれるのか?」
「まあ、ちょっとなじゃない。心配するのは当たり前だろう!」
 思わず掴みかかるように問いかける俺に向かって、彼は何故か少し嬉しそうに目を細めて笑ってみせた。
「それよりさ。俺な、イルカに渡したいものがあったんだ」
「俺に? ひょっとして俺がお前に金でも貸していて、それを返してくれるとか」
「違うよ。そんなんじゃない。ちょっと待っていてくれ」
 彼は忍服のポケットを弄ると、何か袋のようなものを取り出し、中身を取り出そうとしている。
「なんだ、それは。それより目は大丈夫なのか?」
「ちょっと待ってろって。なあ、イルカ。俺は片目は見えなくなったけど、俺の目は幸せになる筈なんだ。だから俺はそれで良いんだ」
 どこか晴れやかな彼の顔を見て、ひょっとしたら好きな子をかばって怪我をしたのかな? 何て事をちらりと思ったけど、それ以上の事は俺には聞けなかった。
 ごそごそと探っていた彼は掌の上にそれを取り出した。
そこにあったのは、ピンポン球くらいのこげ茶色の球体だった。良く見ると、真ん中に亀裂のように細長い楕円形のような模様入っている。
「何だ、これ」
「これはな。そうだな、これは守り石だ」
「守り石?」
 聞きなれない言葉に、微かに鼻の頭に皺を寄せる。そんな俺の手を取ると、彼は俺の手の上にその守り石なる品を乗せてきた。
 彼の体温が移ったのか妙に生暖かく感じるそれを手に乗せられ、何故か背中にぞわりと鳥肌が経つ。
「これを・・・・・・俺にくれるのか」
「ああ。受け取ってくれるか?」
 正直言って、なんだか気味が悪い気がするから受け取りたくない。でも、真剣な表情でこっちを見ている彼の手前もありなんだか断りづらい。
「それな『守り石』って言うくらいだから、いつも目に届く所に置いておいてくれ」
「うん、分かった」
「良いか、目の届く所にだ。約束だぞ」
「あ、ああ。分かったよ。ありがとう」
 少し引きつった顔で礼を言う。彼は「それじゃあ又な」と言うと、あっと言う間に去って行ってしまった。
 一人取り残された俺は、掌に置かれた守り石をどうして良いか分からずに、その場にじっと立ち竦んでいた。

【第七夜 溺れる理由】

 こんな夢を見た

こんなことを言っては酷い奴と思われるだろうが、最初はわずかな好奇心から俺は彼に近づいた。
彼の教え子が俺の部下と言う微かな繋がり。そんな縁が無ければ、俺は彼の事など認識もせずに過ごしていただろう。
「こいつらの事を宜しくお願いします」
頭を深く下げながら俺に向かってそう言ったのは、鼻を横切る傷と、頭の天辺でくくった髪形が無ければ、会っても三秒で忘れそうな平凡で健全そうな中忍だった。
男に向かって好意を抱くようには見えない、健全の塊のようなイルカ先生。
そんな男に近づいたら、どんな反応を示すんだろう?
 里に居る間の暇つぶしのような感覚で、俺は彼との距離を縮めた。
 だが飲みに誘っても、目の前の俺に向かって七班の子供達について身振り手振りで語ってくる。
思わず苦笑してしまうが、俺が滅多に見せない素顔を晒した時は、呆けたような顔で俺の事を見つめていた。
(おっ、上手く引っかかったか?)
 それからの彼は、俺と会うときに微かに顔を赤らめたり、視線を泳がすようになり、俺も他の奴らに対するよりも少しだけ親しげに彼と接した。そんな俺に対して、彼は何と言って来るのか? 俺は内心笑いながら面白がってイルカ先生からの言葉を待っていた。
でもイルカ先生は、いつまでたっても物言いたげな視線を向けるだけで俺に何かを告げることはない。
彼は言葉の変わりに、俺に視線を送ってくる。
いつの間にか俺の周りには、イルカ先生から言葉の代わりに向けられる視線がどんどんと溜まっていった。。

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